ETN(上場投資証券)

QETNとは?

ETN(イー・ティー・エヌ)とは、「Exchange Traded Note」の略で、「上場投資証券」または「指標連動証券」と呼ばれる上場商品であり、ETF(Exchange Traded Funds:上場投資信託)と同様に、価格が株価指数や商品価格等の「特定の指標」に連動する商品です。
「Note(債券)」の単語が示すように、金融機関(発行体)がその信用力をもとに、価格が特定の指標に連動することを保証する債券であるため、ETFとは異なり、証券に対する裏付資産を持たない(必要としない)という特徴があります。
欧米の株式市場では、ETNはETFに次ぐ上場商品として活発に取引が行なわれています(欧州では「Listed Certificates」と呼ばれています。)。

QETNの特徴

1 国内株式と同様の取扱い

ETNは、外国ETNを信託財産として発行されるJDR(信託受益証券)形式で上場されるため、お取引方法、手数料、税制等は国内株式と同様の取扱いとなります。また、譲渡益・分配金については、特定口座の計算対象となります。ただし、償還金については、特定口座で計算されないため、確定申告が必要となります。

2 裏付けとなる現物資産を持たないため、幅広い指標に投資が可能

ETNは、発行体となる大手証券会社や銀行などの金融機関が対象指標との連動性を保証することとなるため、裏付けとなる現物資産は保有していません。そのため、ETNは、外国人への投資規制が存在する新興国株式や、希少資源、時間の経過とともに劣化してしまう農産物等のように現物資産の保有が困難な対象指標であっても組成可能となります。

3 トラッキングエラーが発生しない

現物資産を保有するETFは運用の結果次第ではETFの基準価額と対象指標の間にずれ(トラッキングエラー)が生じる場合があります。
ETNは、発行体の金融機関が対象指標とETNの償還価額が連動するよう保証するため、運用にかかる手数料分を除き、償還価額と対象指標の間のずれ(トラッキングエラー)は発生しません。

  • 実際の市場での取引においては、売り買いの需給の関係等から必ずしも対象指標の価格で購入できるとは限りません。

QETNのリスクは?

ETNのリスクには以下のようなものが挙げられます。

1 価格変動リスク

  • ETNの連動対象となる株価指数等の対象指標は、さまざまな経済情勢等の影響を受けて価値が下落する可能性があります。これにより、ETNの価格が下落し投資元本を割込む可能性があります。
  • ETNの市場価格は、市場の需給状況によって変動するため、連動する指標価格や外国ETNの一証券あたりの償還価額や市場価格と値動きが一致しない場合があります。

2 為替リスク

  • 指標価格は、一般的に為替相場の変動の影響を受けます。

3 信用リスク

  • ETNは、ETFとは異なり裏づけとなる資産を保有せず、発行体となる金融機関の信用力をもとに発行されているため、発行体の倒産や財務状況の悪化等の影響により、ETNの価格が下落するまたは無価値となる可能性があります。

4 流動性リスク

  • 取引量や注文量が少ない場合には、株価指数等の市場実勢から見込まれる価格で売買ができないことがあります。

5 ETNのその他リスク

  • 発行国・地域における政治・経済情勢の変動、税制等諸制度の変更、天変地異等による償還価額の変動により、投資元本を割込み、損失が生じるおそれがあります。
  • ETNは、債券として商品設計されているため、満期が到来すると償還されることとなります。また、償還時に投資者に交付される償還金の額は、投資元本を下回る可能性があり、場合によってはゼロとなる可能性があります。
  • 取引所が定める上場廃止基準に該当して、上場廃止になることがあります。
  • 信託の継続が困難であると信託受託者が判断した場合、信託を終了する可能性があります。
  • 投資リスクは上記に限定されるものではありません。

6 レバレッジ型ETNのリスク

レバレッジ型ETNとは、原指標(TOPIX(東証株価指数)など)の日々の変動率に一定の倍数を乗じて算出されるレバレッジ型指標に連動するETNを指します。

レバレッジ型ETNは、値動きや想定されるリターンが通常のETNとは異なる特性を有しています。

中長期にわたって、レバレッジ型ETNに投資をする場合、原指標の変動率とレバレッジ型指標の変動率の乖離が大きくなる可能性があります。また、原指標の上昇と下落が相互に繰り返されるような相場においては、複利効果により、原指標と比較して指数のパフォーマンスが逓減して行くという特性があり、投資者は利益を得にくくなります。

7 インバース型ETNのリスク

インバース型ETNとは、原指標(TOPIX(東証株価指数)など)の日々の変動率に一定の倍数を乗じて算出されるインバース型指標に連動するETNを指します。

インバース型ETNは、値動きや想定されるリターンが通常のETNとは異なる特性を有しています。

中長期にわたって、インバース型ETNに投資をする場合、原指標の変動率とインバース型指標の変動率の乖離が大きくなる可能性があります。また、原指標の上昇と下落が相互に繰り返されるような相場においては、複利効果により、原指標と比較して指数のパフォーマンスが逓減して行くという特性があり、投資者は利益を得にくくなります。

ETNのご注意事項

レバレッジ型・インバース型のETN等は、リスクが高いため、特にご留意いただきたい主なリスクについて下記よりご確認ください。

レバレッジ型・インバース型ETF等の投資リスクについて

ETNのリスクおよび手数料

上場投資証券(以下、ETNという)はETFと異なり裏付けとなる資産を保有せず、発行体となる金融機関の信用力を背景として発行される証券であることから、発行体の倒産や財務状況の悪化等の影響により、ETNの価格が下落するまたは無価値となる可能性があります。
お取引をされる場合、店舗における国内の金融商品取引所に上場するETN(売買単位未満を除く)の場合は、約定代金に対して最大1.10%(税込)(ただし、約定代金の1.10%に相当する額が3,850円(税込)に満たない場合は3,850円(税込))の委託手数料をご負担いただきます。

ETNの投資リスク(東京証券取引所)